冷えは肩こりの大敵!首・肩を直撃する『寒邪』から体を守る東洋医学の知恵

肩こり
こんにちは、いりえです。
朝晩の冷え込みが厳しくなり、本格的な冬の気配を感じますね。
皆様、体調はいかがでしょうか。

この時期に特に多くなるのが、「なんだか肩がいつもより重い」
「温かい部屋にいるのに肩のコリが取れない」といった、冷えが原因の頑固な肩こりです。

なぜ11月になると肩こりが悪化しやすいのでしょうか?
それは、東洋医学でいう「寒邪(かんじゃ)」という強力な病気の原因が、
私たちの体、特に首や肩を直撃するからです。

今回は、鍼灸整骨院の視点から、冷えと肩こりの深い関係を
東洋医学の専門知識を交えて解説し、効果的な対策とセルフケアをご紹介します。

東洋医学が語る「寒邪(かんじゃ)」と肩こりの関係

東洋医学では、病気の原因となる外部環境の変化を
「六淫(ろくいん)」と呼びます。
その一つである「寒邪(かんじゃ)」、つまり「強い寒さや冷え」は、
人間の体に最も深刻な影響を与える外邪の一つと考えられています。

寒邪の二つの特徴:「凝滞(ぎょうたい)」と「収引(しゅういん)」

寒邪が体に侵入すると、主に二つの現象を引き起こします。

●凝滞(ぎょうたい):流れを停滞させる


寒さには、体内の血液やエネルギー(気)の流れを停滞させる性質があります。
これは、水が冷えて氷になるのと同じ現象です。
結果的に血流が悪化し、筋肉に必要な酸素や栄養が届かなくなります。
すると老廃物も排出されにくくなり、これが痛みの原因となります。

●収引(しゅういん):引き締めて縮ませる

寒さは筋肉や筋膜を急激に引き締め、収縮させる性質があります。すると、首や肩の筋肉が過度に緊張し、
ガチガチに硬くなります。これがまさに「こり」の状態であり、動かしにくさや痛みを伴います。

この「凝滞」と「収引」が組み合わさることで、一般的な疲労からくる肩こりとは違う、
しつこく、温めてもなかなか緩まない頑固な肩こりへと発展してしまうということになります。

寒邪の侵入経路:「風門」と「大椎」

寒邪は、皮膚の毛穴(腠理:そうり)が開いている時や、防備が薄い場所から侵入します。
特に、風邪の邪気(風邪:ふうじゃ)と共に侵入しやすいのが、首の後ろです。

首の後ろにあるツボをご紹介しますね。

大椎(だいつい)というツボは首を前に曲げた時に一番出っ張る骨(第7頚椎)の
すぐ下にあるツボ。
陽の気が集まる場所であり、ここを冷やすと全身の陽気が奪われます。

風門(ふうもん)は大椎から指1本半ほど外側にあります。
その名の通り、「風邪の入り口」とされ、寒邪も風邪と共にここから体内に侵入し、
肩こりや悪寒を引き起こします。

鍼灸整骨院でできる根本的な「寒邪」対策

寒邪による肩こりは、単なるマッサージで表面的に揉みほぐすだけでは
解決しにくい性質を持っています。鍼灸整骨院の施術は、
凝り固まった筋肉の深部にアプローチし、体の中から温めることで根本改善を目指します。

鍼灸(はり・きゅう)によるアプローチを紹介します

●深部の血行促進と「凝滞」の解消

鍼を深部の筋肉(深層筋)に正確に刺入することで、物理的に筋緊張を緩和します。
また、微細な刺激により自己治癒力を高め、局所の血流を一気に改善します。
特にお灸は、大椎や風門といったツボを直接温めることで、外から侵入した寒邪を追い出し(祛寒作用)、
体全体の陽気を高めます。これは冷えによる肩こりに最も効果的な施術の一つです。

●自律神経の調整

寒暖差によるストレスは自律神経の乱れ(交感神経の過緊張)を招き、
無意識のうちに筋肉を硬直させます。鍼灸は、背中や手足にあるツボを刺激することで、
このバランスを整え、体内の緊張を緩めます。

整骨院による手技療法での改善法

手技療法として関節可動域の改善ということが挙げられます。
これは寒さで姿勢が縮こまり(収引)、肩甲骨や背骨の動きが悪くなっている場合、
手技で関節の動きを取り戻します。
また、猫背などで硬くなった胸周りや背中の筋肉を緩め、正しい姿勢に戻すことで、
肩こりの根本原因を取り除きます。

自宅で実践!寒邪から体を守るセルフケア

治療と並行して、ご自宅で毎日できる「温活」と「ツボ押し」で、
寒邪に負けないバリアを築きましょう。

徹底的な「首元」の温め

「寒邪」の侵入経路である首の後ろを絶対に冷やさないことが重要です。
そのひとつとして、タートルネックやマフラーの活用です。
外出時はもちろん、室内でも首元をガードしましょう。特に「風門」の位置を覆うことがポイントです。

温めるということならドライヤー温活も良いですね。
お風呂上がりなどに、大椎や風門の周りにドライヤーの温風を当てて温めます
(熱くなりすぎないよう注意し、少し離して)。即効性があり、
ぞくっとした風邪のひき始めにも有効です。

あとは、定番ですが温湿布・カイロの活用。
寒い日は、大椎のツボ付近にカイロを貼ることで、効率よく全身を温めましょう。

寒邪対策に効く特効ツボ押し

冷えや凝りに直接アプローチするツボもご紹介します。

●風池(ふうち)
首の後ろ、髪の生え際にある、太い筋肉の外側のくぼみ。
風邪、頭痛、眼精疲労、そして首・肩のこり解消に効果的な万能ツボです。
両手の親指で頭を支えるように押し上げ、息を吐きながら5秒ほど指圧します。

●大椎(だいつい)
首を前に倒したときに一番大きく飛び出る骨のすぐ下のくぼみ。
全身の陽気(温かいエネルギー)を高め、冷えや悪寒、肩こりを改善します。
指で押すより、ドライヤーや温かいシャワーで集中的に温めるのがおすすめです。

●肩井(けんせい)
首の付け根と肩先のちょうど中間点。
凝り固まった肩の筋肉を緩める代表的なツボです。
軽く掴むように押すか、親指でゆっくり圧をかけます。押す側の肩の力を抜きましょう。
11月の肩こりは、単なる筋肉疲労ではなく、寒さによる自律神経の乱れや
血流の停滞といった、体全体の防御力の低下が関わっています。

ですので、ポイントは
■冷え対策を徹底し、
■ツボ押しでセルフケアを行い、
■そして、頑固な症状は【院名】の鍼灸・整体で根本から改善する。

この三本柱で、寒邪に打ち勝ち、軽やかな体で寒い冬を迎えましょう。
ご自身の体のサインを見逃さず、少しでも不調を感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。


廿日市の整骨・整体はいりえ鍼灸整骨院へ。慢性的な痛みの緩和だけでなく自律神経の調整も行っています。
肩こり腰痛、自律神経の調整から交通事故の治療まで 廿日市市地御前 いりえ鍼灸整骨院におまかせ



入江院長
「痛みや不調にお悩みの方、ぜひご相談ください」

 ●いりえ鍼灸整骨院・院長 入江 毅

《経歴》
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院

《資格》 ■鍼灸師 ■柔道整復師(国家資格)