喉の詰まり感が取れない…「ヒステリー球（梅核気）」の治療法

よく、「喉がつかえるような感覚」「喉の詰まり感で眠れない」など
相談に来られる患者さんが一定数いらっしゃいます。

そのような症状があっても実際には何も詰まってませんし、
腫瘍があるわけではありません。

これをヒステリー球とか咽喉頭異常感覚症とか梅核気などと呼びます。

特に更年期の女性に多くみられる症状です。
原因は「ヒステリー球」という名前に表れているように
心因性の症状、つまりストレスが原因となっているとされています。

ですが、本当にストレスが原因であるかどうかは
解明はされていないというのが実情です。


何か異物ができていないか、患者さんは病院で診察してもらいますが、
何もできていない。
結果的に精神的な問題で症状が出ているとされ、神経症や自律神経失調症、
うつ障害と関係していると診断される。
または、ぜんそく症状であると診断される。

当然、これらにこの喉の詰まり感を伴うことはあるので
間違いではないのですが、
ずっと通っていても喉の詰まり間だけが残っている、となると
原因は他にあるとみて、治療方法について考え直すべきかもしれないですね。

ヒステリー球というのは西洋的な考え方です。
東洋医学では梅核気と呼ぶことが多いんです。
東洋医学では梅核気の原因は単にストレスだけと考えていません。

東洋医学での梅核気の原因は
「腎」「脾」「肝」「肺」「心」の5つの臓のうち
「肝」に不具合が生じている状態であると考えられています。

以前にもお話したかと思いますが、
人間の体は気・血・水という要素で構成されていて
「肝」に不具合が生じていると気・血の巡りが停滞するとされます。

気は身体の働きに必要なエネルギーとされていますので
これが停滞すると
肩こりや不眠、冷え性や喘息、うつ病などの症状が
梅核気のほかにも現れます。
これは全て症状としていっぺんに現れるわけではなく、
その人の弱い部分にでます。

ということは、
梅核気を改善するには肝の機能を正常化させること。
そして気血の循環を促せばよいということになりますね。

東洋医学的にみた梅核気の治療として
漢方や鍼灸があります。

漢方でまず処方されるのは半夏厚朴湯（はんげこうぼくとう）
でしょう。
不安症状で喉の詰まったような感じ、喉が圧迫されるような感じによく使う
のでパニック障害の治療などにも使用されます。「気」のめぐりを良くする漢方薬です。

鍼を打つ上でカウンセリングや触診をもとに、
打つべきトリガーポイントを探すところから
治療は始まります。

当院では、鍼灸のほかに整体などで筋肉のこりをとり、
鍼灸の効果が出やすい状態に体を調整する場合もあります。

こうして体を整えると鍼灸の効果が高まるからです。


梅核気の方の中には
ストレートネックで常に肩こりを感じている方や
ずっと机に張り付いている状況が常である方、
家の中では症状が出にくいのに外出すると症状が悪化する、など

さまざまいらっしゃいます。
そうした状況を踏まえ、触診すると
頭板状筋や胸鎖乳突筋、肩甲挙筋などの筋肉群に
トリガーポイントを見つけることがままあります。

こうして治療を重ねることで
症状が改善されるというわけです。

首や喉だけでなくさまざまなところに本当の原因が隠れているんですね。

菱形筋や胸腸肋筋、棘筋や回旋筋、肩甲挙筋、頭板状筋、
最長筋、胸鎖乳突筋、前中斜角筋など
鍼を打つ箇所はさまざまです。

どこに打つかはカウンセリングや触診などで
細かく筋肉を探っていかないとなかなか見つけられません。

そして、一度で良くなるとも言えないので
通っていただくことになるかと思いますが、
根本原因をしっかり直すことで
いまある悩みが解消されることは間違いないです。

梅核気かも…と思われる方、喉の詰まり感で悩んでいる方は

---