意外と知らない頭痛のトリビア

夏の暑い日に、かき氷やアイスクリームを急いで食べると、
キーンと頭が痛くなること、ありませんか？ 
これを「アイスクリーム頭痛」あるいは「脳冷結節頭痛（Brain Freeze）」と呼びます。

これは、冷たいものが口蓋（口の天井部分）に触れることで、
その部分の血管が急激に冷やされ、一時的に収縮します。
すると、その直後には体温を保とうとして血管が急拡張するため、
その刺激が神経（三叉神経など）を通じて脳に伝わり、頭痛として感じられると考えられています。

心配する必要のない一時的なものですが、急いで冷たいものを食べるのは避けて、
ゆっくり味わうのがおすすめです。これも、一種の血管性頭痛と似たメカニズムなんですね。

「朝起きると頭が痛い」「こめかみがズキズキする」という方、
もしかしたら寝ている間の歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。

寝ている間に無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりは、
顎の筋肉（咀嚼筋）や側頭部の筋肉に非常に強い負担をかけます。
これらの筋肉が過度に緊張すると、頭の横やこめかみ、さらには首や肩にまで痛みが広がり、
緊張型頭痛を引き起こすことがあります。

「最近ストレスが溜まっているな」「日中も無意識に歯を食いしばっているかも」
と感じる方は要注意です。鍼灸では、顎関節周囲や側頭部の筋肉の緊張を緩めることで、
このタイプの頭痛の緩和を図ります。

「パソコン作業の後、必ず頭が痛くなる」「目が疲れると、こめかみがズキズキする」
こんな経験はありませんか？ これは、眼精疲労が頭痛を引き起こしている可能性が高いです。

私たちは、一点を集中して見続ける作業（スマホ、PC、読書など）を長時間行うと、
目の周りの筋肉（毛様体筋など）が緊張しっぱなしになります。
この目の筋肉の疲労は、目の奥からこめかみ、さらには頭全体へと痛みを広げることがあります。

また、目の疲れから首や肩の筋肉も連動して緊張しやすくなり、
結果として緊張型頭痛を悪化させる要因にもなります。
鍼灸治療では、目の周りや首肩のツボにアプローチし、
血流を改善して眼精疲労からくる頭痛の軽減を図ります。
定期的に目を休ませたり、意識的に遠くを見たりする習慣も大切ですよ。

夏の頭痛で意外と見落とされがちなのが、隠れ脱水です。
冷房の効いた涼しい場所にいても、私たちは知らず知らずのうちに汗をかいています。
特に、のどの渇きを感じていなくても、体は水分不足に陥っていることがあります。

脱水状態になると、血液の水分量が減り、血液がドロドロになります。
すると、脳への血流が悪くなったり、体内の老廃物が排出されにくくなったりして、
頭痛を引き起こすことがあります。

冷たい飲み物をがぶ飲みするのではなく、常温の水をこまめに少しずつ飲むことが大切です。
特に、起床時や入浴後、外出前には意識的に水分を摂るようにしましょう。
電解質を含む麦茶などもおすすめです。

「コーヒーを飲まないと頭が痛くなる」「週末はいつも頭痛で目覚める」
そんな経験はありませんか？ これは「カフェイン離脱頭痛」の可能性が高いです。

カフェインには血管を収縮させる作用があり、毎日コーヒーなどを習慣的に飲んでいると、
脳の血管がカフェインによって常に収縮した状態に適応しようとします。
しかし、カフェインの摂取を急に止めたり、量を減らしたりすると、
収縮していた血管が急激に拡張し、その刺激でズキズキとした頭痛が引き起こされることがあります。
これは片頭痛と似たメカニズムで起こるとされています。

もし心当たりのある方は、カフェインの摂取量を少しずつ減らしていくなど、
緩やかに習慣を変えていくことが大切です。鍼灸では、血管の過度な拡張や収縮を和らげ、
自律神経のバランスを整えることで、この種の頭痛の緩和を目指します。

現代社会に欠かせないスマホやPC。これらが発するブルーライトは、
目の疲れだけでなく、頭痛にも関係している可能性があります。

ブルーライトは光の波長が短く、エネルギーが強いため、目の奥の網膜にまで届き、
眼精疲労を引き起こしやすいと言われています。
さらに、ブルーライトは脳の覚醒を促す作用があるため、夜間に長時間浴びると、
睡眠の質を低下させ、結果的に自律神経の乱れや疲労蓄積から頭痛を引き起こすことがあります。

就寝前のスマホ・PCの使用を控える、ブルーライトカット眼鏡を使う、
画面の明るさを調整するといった対策が有効です。
当院では、目の周りの血流改善や、首肩の緊張を和らげる施術で、
眼精疲労からくる頭痛をサポートしています。

「ストレスで呼吸が浅くなる」「デスクワークで猫背になり、息苦しい」
こんな経験はありませんか？ 実は、呼吸の質も頭痛と密接に関わっています。

浅い呼吸（胸式呼吸ばかり）をしていると、体内に十分な酸素が行き渡らず、
二酸化炭素が蓄積されやすくなります。
これは血流を悪化させ、脳への酸素供給不足や、体のだるさ、集中力低下、
そして頭痛を引き起こすことがあります。

また、浅い呼吸は首や肩の筋肉を常に緊張させ、姿勢の悪化も招きやすいです。
意識的に深い腹式呼吸を心がけることで、自律神経が整い、全身の血流が改善され、
頭痛の緩和につながります。
鍼灸治療では、呼吸に関わる筋肉の緊張を緩めたり、自律神経を調整するツボを使ったりして、
より深い呼吸ができるようサポートします。

「あのチーズを食べると必ず頭が痛くなる」「ワインを飲むと決まって翌日に頭痛がする」
実は、食べ物や飲み物が頭痛の引き金になることがあります。
これを「食品誘発性頭痛」と呼びます。

特に片頭痛をお持ちの方に多く見られる現象で、特定の食品に含まれる成分が
血管の収縮・拡張に影響を与えたり、神経を刺激したりすることで頭痛を引き起こすと考えられています。
主な食品としては、以下のようなものが挙げられます。

■チラミン: チーズ（特に熟成タイプ）、赤ワイン、チョコレート、発酵食品（味噌、醤油の一部）など。

■アスパルテーム: 人工甘味料としてダイエット食品などに含まれる。

■亜硝酸ナトリウム: 加工肉（ソーセージ、ベーコンなど）に含まれる。

■グルタミン酸ナトリウム（MSG）: 中華料理などに多く使われるうま味調味料。

もし心当たりのある方は、ご自身の頭痛日記をつけて、
特定の食品を摂取した後に頭痛が起こるかどうかを記録してみると良いでしょう。
鍼灸では、消化器系のバランスを整えたり、自律神経の乱れを調整したりすることで、
体質改善をサポートし、食品への過敏な反応を和らげることも目指します。

「寝すぎても頭が痛い」「寝不足だと頭が重い」
睡眠は、頭痛と非常に深く関わっています。

■寝すぎによる頭痛: 長時間の睡眠は、脳の血管が拡張しやすくなることや、
寝返りが少ないことで首や肩に負担がかかることが原因で、頭痛を引き起こすことがあります。

■寝不足による頭痛: 睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、
ストレスホルモンの分泌を促します。
これが血管の収縮・拡張を不安定にさせたり、筋肉の緊張を高めたりして、頭痛を招きます。

適切な睡眠時間（一般的には7～9時間）を確保し、質の良い睡眠をとることが非常に重要です。
鍼灸では、リラックス効果のあるツボ刺激や、自律神経を整える施術で、不眠の改善や睡眠の質の向上をサポートします。

頭痛は、本当に多種多様な原因が絡み合って発生します。
今回ご紹介したこぼれ話が、ご自身の頭痛と向き合うヒントになれば幸いです。

もし「自分の頭痛はどこから来ているんだろう？」
「長年の頭痛から解放されて、もっと快適な毎日を送りたい」とお悩みでしたら、
どうぞお気軽に当院までご相談ください。
頭痛の根本原因を多角的に見極め、お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な施術で、

---