腸と自律神経と脳の関係

こんにちは、いりえです。
前回は過敏性腸症候群のお話でしたね。

今回はその時に触れましたが、
腸と自律神経、そして脳について
解明されたそれぞれの相互関係についてご説明します。

突然ですが、脳腸相関って知っていますか?
腸と脳は太いパイプで繋がれているように
密接な関係があります。

そもそも脳はあらゆる器官、臓器に影響を与える体の司令塔。
だから腸にも影響を与えるのも当然じゃん

と、思われがちですが、
みなさんが考えているよりずっと深い関係にあるのが
脳と腸です。

脳〜腸へ一方的に影響する関係ではなく
脳と腸はお互いに影響しあう、相互影響の関係です。

なので、腸の調子が悪いと脳の調子が悪くなります。
反対に、脳の調子が悪くても腸の調子が悪くなります。

だったら、腸の調子が良くなると脳の調子も良くなるし
脳の調子が良くなると腸の調子もよくなるわけです。

こうした関係を脳腸相関と言います。

こんなに密接に関係しているのはなんで?
と疑問に思われますよね。

これは生物の進化の過程を説明すると納得されると思います。
前回にも触れましたが、
腸は生物が一番最初に獲得した器官です。
原生生物は「食べる→吸収する→排泄する」というごくシンプルな生命活動しか
していませんでした。
ところが進化の過程において、腸の周辺に神経細胞を持つことで
腸の動きをコントロールするようになります。

この神経細胞から派生したのが脊髄です。
神経細胞から脊髄ができ、その脊髄から脳ができました。

こうして、生物は進化してきたと言われています。
なので脳を介せず、生命を維持する状態を原始の生物は持っていて
その大元が腸なわけです。

今でも腸には約1億もの神経細胞が存在します。
そして、脳からの指令がなくても腸が判断して、他の臓器に
直接働きかけることができます。

腸が思考するとはこのことです。

例えば、食べ物を口にしたとき、その中に毒物が混じっていても
脳には判別できません。
食べろという指令を出すだけです。
でも腸は毒物であると判断できるので、すぐに嘔吐や下痢を起こして
体から毒を排出しようとします。

さて、脳と腸はかなり密接に関係しているということはおわかりいただけたと思います。
そんな脳と腸は自律神経やホルモンを介してお互いに情報交換をしています。
脳が緊張や不安などのストレスを受けると、腸にその情報は伝わります。
すると、腸は腹痛や下痢、便秘などを引き起こすようになります。

また、逆に腸内環境が悪化すると、脳に伝わって自律神経が乱れます。
この自律神経の乱れは厄介です。
いろんな不調のもととなっているのが
この自律神経の乱れです。

今回の腸で言うと、自律神経の乱れが腸のぜんどう運動を抑制します。
つまり、排便を促す腸のぜんどう運動を抑制し、
腸の働きが低下、便秘などの症状を生むわけです。
このぜんどう運動は「交感神経」が優位な時には停滞します。
「副交感神経」が優位になると活発になります。

自律神経はこの「交感神経」と「副交感神経」のバランスが保たれていることが
正常であるとされるのでストレスや不安などの緊張が続き、「交感神経」が優位になると
自律神経のバランスが崩れてしまい、不調を起こすことになるわけです。

なので腸を整えるには自律神経が整うことが重要になります。

セロトニンには自律神経のバランスを整えて感情のコントロールをする働きや脳を活性化させる働きがあると言われています。

腸（粘膜）に90％、血液（血小板）に8％。そして、残りの2％が脳に存在します。なんと腸に大部分が存在しています。
そして腸内細菌がこのセロトニンを作り出しています。

また、マウスの実験では
腸内細菌を持たないマウスは攻撃的な性格になり危険な行動をするようになるそうです。心や脳にも影響を与える腸は侮れない器官ですね。

このように、腸と脳、自律神経はとても密接な関係があります。
それらを正常に機能させるには
まずは日頃の生活を正常に整えることが不可欠です。
現代人の生活は便利で恵まれていることが多いですが、
それが体に良い生活であるかどうかはまた、別の話です。

ちなみに自律神経を整えるには鍼灸治療は有効です。
なかなか整えるのが難しいなら、思い切ってプロの力を借りると言う方法もあります。
当院では自律神経を整えるために
鍼灸や整体など様々なアプローチ法を症状により施術しています。

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