女性の不調と便秘〜安易に下剤を使ってはいけない〜

下剤と便秘

こんにちは、いりえです。

今日は便秘について、特に下剤と腸内環境についてです。
以前腸は第二の脳と呼ばれるくらい重要なパーツであるとお話しました。

腸の不調は様々な病気を引き起こす元です。
今回は特に女性に多い便秘についてですが、
便秘になると即効性のある下剤を服用される方が多いでしょう。

その結果、腸にどんなことが起こるのか…

今日はそんな腸と下剤のお話です。

便秘と腸内環境

近年、腸(大腸)の機能について様々な研究が行われ色々なことが発見されています。
ちょっとすぐには信じられないですが、
太っている人と痩せている人の腸内細菌が違うとか、マウスの実験では
活発に動くネズミとおとなしいネズミの腸内細菌を入れ替えると(どうやって入れ替えるのかは謎ですが)
性格が変わったなど。

注目したいのは、今まで大腸において、その機能は水分の吸収とされていました。ところが
ここにきて、体質・性格までも左右してしまう、という結果が報告されたという点。

腸が性格にまで影響するなど、びっくりです。

特に腸と一言で言っても小腸ではなく大腸に注目度が高まっています。

小腸は栄養を吸収する器官で、大腸に比べて様々な機能が集まっています。
十二指腸、空腸、回腸を総称した小腸は、もともと生命に重要な臓器のため、
免疫が発達しており、他の臓器に比べて病気が少ないです。
そして、小腸と大腸の境界に盲腸があります。

対して大腸は前述のように水分吸収が主な働き。今までは大腸の機能は水分吸収のみと言われていました。
ただ、今回注目されているのが「腸内細菌」です。
腸内細菌はその数で言うと小腸と比較にならないくらい多いんです。

そしてこの腸内細菌が色々なところに影響する、というのが研究により明らかになってきています。

腸内環境の乱れというのは、この腸内細菌によるところが非常に大きいのです。

そして、この腸内環境の乱れが便秘を引き起こす要因となっていることがあるんです。

腸内環境が乱れるとどうなる?

大腸には1000種類、100兆個の細菌がいると言われています。
この腸内細菌はざっくり分別すると「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」。
割合で言うと「善玉菌」が2割、「悪玉菌」が1割、「日和見菌」が7割


善玉菌・悪玉菌はなんとなくわかりますよね。
では日和見菌は?

名前の通りで日和見主義の菌です。
つまり、善玉菌が活発な時は善玉菌と同じように悪玉菌の増殖を防ぎ、悪玉菌が優勢なら
悪玉菌と同じような動きをするんです。

ただし、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の割合なのですが、最良の割合は個人差があるとされています。
なので個人個人、最適なバランスを保つ必要がある、と言うことが大事なんです。

このバランスを崩すと、下痢や便秘が起きやすくなります。近年の研究では
炎症や免疫機能の異常によりがんや神経疾患など色々な病気に関係していると明らかにされました。

便秘は立派な病気。治療方法は慎重に。

便秘にはいまだに確固たる定義がないんです。
排便回数が週に3回未満と定義する場合もあれば
便が出にくい、硬い、残便感などの不快な症状を含めて便秘とする場合もあり、
様々です。

また、便秘は病気に続発する症候性便秘、薬の服用の副作用として起こる薬剤性便秘、
そして一番多い習慣性便秘の3つに大別できます。

症候性便秘の例としては糖尿病の人。腸を動かす神経が鈍くなるからです。
習慣性便秘は大腸の蠕動運動が低下した結果、大腸内の便が長く留まり、水分が吸収されすぎて硬くなるから。
そして、薬剤性便秘
これは薬の服用の副作用による便秘です。

薬局で購入できる便秘薬を服用していると腸の力を弱めてしまう、というのが現在明らかとなっています。
便秘薬のほとんどが便を柔らかくする緩下剤。または腸の粘膜などを刺激して排便を起こさせる刺激性下剤。
特に刺激性下剤の連続服用は問題です。

緩下剤の代表は酸化マグネシウムです。マグミット錠は有名ですね。
刺激性下剤はセンナ、ダイオウ、ピコスルファートナトリウム、ビサコジルなどの下剤。コーラックやアローゼンなど。

この刺激性下剤は市販されている下剤の約70%がこれに当たるとされています。
即効性も高く、緊急用に短期間だけなら良いのですが、常用は避けるべきです。
大腸メラノーシス(色素沈着症)の副作用があるからです。

大腸メラノーシスとは、大腸粘膜に色素が沈着し、大腸が黒くなった症状。
下剤からの刺激で大腸粘膜に少しずつダメージを蓄積させて色素の沈着が起きます。

黒くなっているのは刺激性下剤で粘膜細胞が傷害された痕跡。
下剤は大腸を疲弊させ、いずれ効果がなくなり、やがて腸管神経叢のダメージから
弛緩性便秘となって腸が動かなくなってしまいます。

自覚症状はなく、大腸内視鏡検査を受けるまで気づかれません。
服用時にも腹痛や習慣性の副作用が出ることもあるため、薬は慎重に使うべきです。
また、週に2回以上刺激性下剤を内服すると大腸がんのリスクが2.75倍になる、とういう報告もあります。

大腸の健康を守る

便が形成されるS状結腸・直腸などでは特にがんなどが発生しやすいとされています。
おもに発生する腐敗菌による有害物質が原因であるとも指摘されています。
これらは大腸だけに悪影響を及ぼすのではなく、腸管壁を介して血流にのり全身に送られ、肌荒れや肥満、免疫力の低下、うつ病や認知症といった、様々な病気の原因となると言われています。

大腸に有害物質を発生させないために必要とされているのが腸内細菌。その菌の種類ごとに腸内に定着している領域が分かれています。その様はお花畑に似ていることから腸内細菌の集合体は「腸内フローラ」と呼ばれています。

大腸に細菌が多い理由としては細菌は酸素や胃酸、胆汁がない場所を好むので消化管の最も奥にあり、酸素や胃酸、胆汁が行き届かない大腸に多く生息しているとのこと。

腸内環境を整えると言うことは腸内細菌のバランスを整えること。
そのために必要なのは
食事、つまり細菌の餌となるものを摂ることです。
腸の状態がよくなると悪玉菌は棲みづらくなり、
反対に善玉菌は快適に働けるようになります。

それから腸そのものを整える生活習慣が必要となります。
腸内環境を整えること、そして便の滞らない腸を作ることが大事です。

便秘は薬に頼るのではなく
根治治療が必要な病気です


女性であればホルモンバランスや
それこそ現代ではストレスなどで自律神経を乱し、
便秘になる方も増えています。

腸内の環境と同時にこれらの原因を解消して行かないと
便秘改善は難しいです。

当院では鍼灸治療と整体でこれら便秘の解消を目指しています。
便秘の原因はそれこそたくさんあるので
少しずつその原因を取り除くことが治療の大前提ではあります。

ですが、薬ではどうにもならないことも
良くなる可能性は大きい
です。

お悩みの方は当院にご相談ください。


廿日市の整骨・整体はいりえ鍼灸整骨院へ。慢性的な痛みの緩和だけでなく自律神経の調整も行っています。
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入江院長
「痛みや不調にお悩みの方、ぜひご相談ください」

 ●いりえ鍼灸整骨院・院長 入江 毅

《経歴》
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院

《資格》 ■鍼灸師 ■柔道整復師(国家資格)