片頭痛、ズキズキ痛む原因と根本改善のための鍼灸・整体アプローチ

片頭痛
「ズキン、ズキン」と脈打つような激しい痛み。
光や音、においにも敏感になり、時には吐き気まで催して、ただ寝込むことしかできない…

こんにちは、いりえです。
今日のテーマは片頭痛。

片頭痛(偏頭痛)は、日本人の約8.4%(約840万人)が悩んでいるとされる、
非常に身近でありながら生活の質(QOL)を著しく低下させる慢性疾患です。

激しい発作に、「今月もまたか…」と不安を感じている方も多いのでは?

今回は薬に頼り続ける生活から抜け出し、頭痛のない日常を取り戻したいと願う方に
具体的な治療法と自宅でできるセルフケアまでお伝えします。

片頭痛とは?正確な知識で不安を和らげよう

まずはご自身の頭痛のタイプを正しく理解しましょう。
片頭痛は「一次性頭痛(慢性頭痛)」の一つで、
命に関わるような病気ではないものの、日常生活に大きな支障をきたします。


片頭痛の主な症状チェックリストを用意してみましたので
気になる方はまずチェックしてみてください。
※項目に当てはまるものが多い方は、片頭痛の可能性が高いです。
□拍動性の痛み:ズキズキ、ドクドクと脈打つような痛みがある。

□痛みの部位:頭の片側が痛むことが多い(両側の場合もある)。

□持続時間:発作が4時間〜72時間続く。

□動作で悪化:体を動かすと痛みが強くなるため、横になりたくなる。

□随伴症状:吐き気や嘔吐を伴うことがある。

□感覚過敏:光(まぶしい)や音(うるさい)、においに過敏になる。

□前兆:痛みの直前にギザギザした光(閃輝暗点)が見えることがある(約10〜20%)。

現代医学で考える片頭痛のメカニズム

片頭痛は、脳の血管を取り巻く三叉神経と、それに伴う
炎症性物質(CGRPなど)の関与が深く関係していると考えられています。

以下に片頭痛が起きる流れをまとめてみました。

1,脳の過剰な興奮:何らかの刺激(ストレス、気圧変化、ホルモン変動など)で脳が過剰に興奮する。

2,血管の拡張:脳の血管が急激に広がる。

3,三叉神経の刺激:血管の周りを通る三叉神経が、拡張した血管や放出された炎症物質によって刺激される。

4,痛み物質の放出:刺激を受けた三叉神経が、さらに血管を広げ、
炎症を起こす物質(CGRPなど)を放出。これが「ズキズキ」とした激しい痛みとして脳に伝わります。

つまり、「脳の興奮体質」と「血管・神経の過敏さ」が片頭痛の根本にあるのです。

脳は、体全体の司令塔であるだけでなく、外部からの刺激を処理する「情報の交通整理係」のようなものなのですが、
普段から刺激に過敏な状態だと少しの刺激でも大げさに反応してしまうことになります。

「脳の興奮体質」とはちょっとしたストレスや天候の変化に過敏に反応してしまう、脳がリラックスしにくく、
常に刺激に対して敏感に反応するスタンバイ状態が続いている状態ということです。

血管・神経の過敏さについてはまるで「カチカチに凍った水道管」に例えられます。
脳の周りにある血管と三叉神経(痛みを感じる神経)は、脳の興奮に連動して動く部品のようなものです。

つまり、脳の周りにある血管と三叉神経はカチカチに凍った水道管と、その横を通る非常に細い電線に例えると
凍った水道管(血管)が、急に温められる(ストレスからの解放などでリラックス)と、一気に破裂寸前まで膨張します。
この急激な膨張が、横を通る細い電線(神経)をビリビリと刺激し、「ズキズキ」という痛みを生むんです。

こうした条件が揃うと激しい頭痛になり、それが片頭痛です。

まず、敏感な脳が「ストレスや天候の変化だ!」と過剰に反応し、(警報が鳴るように)発作のスイッチをONにする。すると
過敏な血管が急激に拡張し、神経を強く刺激する。

この連鎖反応こそが、脈打つような激しい片頭痛の正体です。

薬に頼る生活からの脱却:鍼灸整骨院が考える根本原因

市販薬や処方薬は、炎症や痛みを一時的に抑えるのには非常に有効です。
しかし、根本的な「興奮体質」を変えなければ、薬が切れるたびに発作を繰り返すことになります。

当院では、片頭痛の根本原因を以下の3点にあると考え、多角的なアプローチを行います。

根本原因①:首・肩甲骨周辺の強い筋緊張(トリガーポイント)

片頭痛持ちの方の多くは、発作時だけでなく、
普段から首・肩・背中に慢性的なコリ(筋緊張)を抱えています。
なぜ筋緊張が片頭痛につながるのかというと首や肩の筋肉が硬くなると、
その中を通る後頭神経や自律神経が圧迫され、脳への血流や神経伝達が悪くなります。
この持続的な刺激が、脳を過剰に興奮しやすい状態(トリガーポイント)にし、
片頭痛発作の引き金となるんです。

根本原因②:自律神経の乱れ(交感神経の過緊張)

片頭痛のきっかけの多くは、ストレスからの解放や気圧の急な変化です。
これらはすべて、体の司令塔である自律神経の急激な変化
(特に交感神経の優位状態)によって起こります。

自律神経が乱れると、血管の収縮・拡張のコントロールがうまくできなくなり、
急な血管の拡張(=痛み)が起こりやすくなります。

根本原因③:姿勢・骨盤の歪みによる構造的ストレス

猫背やストレートネック、骨盤の歪みは、頭を支える首や肩に常に無理な負担をかけます。
この構造的なアンバランスが、上記の「筋緊張」と「自律神経の乱れ」を慢性化させる温床となります。

【当院独自の専門アプローチ】片頭痛を根本改善する施術

当院では、単に痛む場所を揉むだけでなく、上記3つの根本原因に同時にアプローチすることで、
発作の頻度と痛みの強度を減らし、最終的には薬のいらない体を目指します。

鍼灸治療:過敏な神経と血流を整える

鍼灸は、片頭痛の治療において世界的に有効性が認められています。
まず、鎮痛・抗炎症作用。鍼で特定のツボ(風池、天柱、太衝など)を刺激することで、
脳内で鎮痛物質(エンドルフィンなど)の分泌を促し、炎症性物質(CGRP)の放出を抑制します。

そして自律神経の調整。自律神経の通り道である首や背中のツボを刺激し、
過剰に興奮した交感神経を落ち着かせ、副交感神経を優位に導きます。
これにより、血管の急激な変化に体が対応しやすい状態(安定した状態)を作ります。

骨格・姿勢調整:構造的ストレスの除去

鍼灸で神経と筋肉の状態を整えた上で、体の土台となる構造を改善します。
特にストレートネックなどによる頸椎の歪みを、ソフトな手技(または矯正機器)で整え、
頭の重さを首全体で均等に支えられるようにします。
さらに骨盤から背骨、そして頭まで繋がる連動性を改善し、
首・肩への負担を根本的に軽減します。

筋肉への深部アプローチ

深層にある頑固な硬結(トリガーポイント)は、一般的なマッサージでは届きにくい場合があります。
当院では、手技や鍼を用いてこれらのポイントを正確に捉え、
筋緊張を徹底的に緩めることで、神経への圧迫を取り除きます。

専門家が教える!片頭痛を予防するセルフケアと生活習慣

治療と並行して、ご自宅でのセルフケアも非常に重要です。

予防のための習慣

規則正しい睡眠を心がけましょう。寝過ぎも寝不足も片頭痛の誘因となります。
毎日同じ時間に寝起きすることを心がけましょう。
また、人によりますが、赤ワイン、チーズ、チョコレート、
加工肉などは血管拡張作用を持つ成分が含まれており、発作を誘発する可能性があるため、
摂取量を記録してみましょう。
それから、ウォーキングやストレッチなどの適度な運動は、血流と自律神経の安定に役立ちます。
ただし、激しい運動は発作を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

発作が起きた時の対処法

発作が起きたら暗く静かな場所で安静にします。光と音を遮断し、横になりましょう。
次に痛む側のこめかみや首筋を冷たいタオルなどで冷やすと、
拡張した血管が収縮し痛みが和らぐことがあります
(※緊張型頭痛の場合は温めます)。
また、発作のごく初期であれば、少量のコーヒー(カフェイン)で
血管収縮作用を利用できる場合があります。

諦めないでください。頭痛のない毎日を一緒に目指しましょう。

片頭痛は、「体質」や「生まれつきのもの」だと諦めてしまいがちです。
しかし、その「体質」は、生活習慣や姿勢、そして自律神経の働きによって変えることが可能です。

当院の鍼灸・整体アプローチは、一時的な痛みの緩和だけでなく、
発作が起こりにくい体質へと根本から変化させることを目的としています。

長年の片頭痛に苦しんでいる方、薬の量が増えて将来が不安な方、
ぜひ一度当院にご相談ください。専門家があなたの頭痛に真摯に向き合い、
頭痛のない晴れやかな日常を取り戻すサポートをいたします。



入江院長
「痛みや不調にお悩みの方、ぜひご相談ください」

 ●いりえ鍼灸整骨院・院長 入江 毅

《経歴》
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院

《資格》 ■鍼灸師 ■柔道整復師(国家資格)