筋膜と痛みと鍼灸・筋膜リリース

鍼灸筋膜
こんにちは、いりえです。
前回は筋膜についてその構造と役割に軽く触れましたね。

今回は筋膜のよじれや凝りが引き起こす痛みについてと
一度は耳にしたことがある筋膜リリースについての話です。

まずはおさらいから。

筋膜は全身をまるでスウェットスーツの若くすっぽりを包んでいる
膜、白い膜です。

鶏肉にもありますよね。
皮と身の間にあるごく薄い膜が。
あれがそうです。

筋膜は深部から表層部まで
立体的に包みこみ、適切な位置に固定したり
体を動かす際に摩擦を起こすことなくスムーズに動くようにする
役割があります。

筋膜が硬くなるとどうなる?

筋膜は本来なら弾力がある仕様をしていて柔軟に動きに対応してくれます。
でも、何かの原因でその弾力が失われ硬くなることがあります。
すると血行不良を起こしたり、神経を圧迫したりして
痛みや不調を起こすようになります。

筋膜はそれこそ筋肉や骨、関節などあらゆるパーツを包み込んでいるので
血管やリンパ管、神経は筋膜と筋膜の間を通っています。
筋膜が硬くなり、しこりができたり、筋膜によじれが生じると筋膜の癒着も起きるようになります。
こうなると筋肉組織はスムーズに動かなくなり固まってしまいます

筋肉が固まると血流は阻害されます。すると酸素や栄養、老廃物が滞り
さらに筋肉は硬くなります。悪循環ですね。

肩こり、腰痛などで悩んでいるかたは多いですが、
その肩こり、腰痛は筋膜のよじれや癒着が原因かもしれません

筋膜が硬くなる原因

筋膜が硬くなる原因は様々あります。
筋膜はネット状の膜ですが、このネットを構築している繊維がよじれ
柔軟性がなくなり、固まるとさらによじれ、コラーゲンやエラスチンが
一つ所に密集し、粘着性が出てきます。ネバネバした感じと形容されます。
こうなると粘着性のため、よじれを治そうとしてもなかなか難しい状態になり、
筋膜が原因となる痛みの改善は時間がかかります。

筋膜が硬くなるのは
同じ姿勢を長時間続けることや
怪我の後遺症、運動後のストレッチ不足など様々
です。

筋膜は使いすぎも使わなすぎもよくないです。
悪い姿勢をずっと取り続け、動かすことがなければ癒着が起きやすくなります。
また、筋肉に負荷をかけすぎても筋膜はよじれたり癒着の原因になったりします。

適度に姿勢を変えたり休めたりすることで
随時筋膜を元に戻すようにしなくてはなりません。

すると筋膜は自然と正しい形状を保つことができるのです。
運動後に筋肉が疲労を起こしている状態と筋膜の硬さは別物です。
筋肉疲労が無くても筋膜が固まっていると動作に影響します。
逆に筋疲労があっても筋膜が正常であれば
酸素の供給も滞りなく行われ、筋疲労もすぐに回復します。

筋膜と痛み

筋膜には痛覚神経が多く存在します。
これは痛みを伝える神経ですが筋膜のそれは筋肉の10倍と言われています。
意外なのは筋肉には痛覚神経はほとんどないということ。

また、筋膜に異常が起きると痛みが出ます。
このように考えると筋肉痛は筋膜の痛みと言い換えることができます。
筋膜は筋膜同士がつながり、人の体を包み込む構造体ですが、
一つの箇所によじれが起き、かたまり、うまく機能しないと、
他の筋膜にもそれが波及します。
以前お伝えした、トリガーポイント。痛みの発生源であるトリガーポイントは筋膜上に
出来ることが多いと言われています。

一箇所で固定されると他の筋膜が引っ張られるような状況になり
正常だった箇所も抑制されることでよじれや癒着を生むことになります。
筋膜連鎖です。
筋肉やリンパ、血管の機能不全や痛みのための関節の運動機能が悪くなるので
さらに悪化の一途を招いてしまいます。

こうした筋膜の変化は関節・靭帯など筋膜組織に覆われた場所には起りうることです。
固定された筋膜はマッサージや温熱治療を施しても一時的緩和は望めます。
ですが、繊維化、肥厚、癒着などは改善されにくいです。

そうした時、筋膜リリースという考えに至るわけです。

筋膜リリースと鍼灸

筋膜リリースは筋肉がスムーズに動くために筋膜を柔らかく、
滑りを良くするために解きほぐすことを言います。
筋膜リリースを行うと筋肉の柔軟性が良くなり、関節の可動域も広がります。

さらに言うと、筋膜リリースは原因となっている
筋膜の委縮・癒着を引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで、
正常な状態に戻すことです。

やり方は様々ありますが、
最近ではセルフで筋膜リリースアイテムとして
フォームローラーなどがありますね。

筋膜の癒着やよじれを正しくするために、
柔らかくほぐす方法として
筋膜マッサージがあります。
これは表層においては効果がありますが、
筋膜は深層部にも存在します。
深層部を手技でどうかしようとしてもなかなかです。

その際は鍼灸治療が効果を生みます。
筋膜部分にまで、鍼の先で直接アプローチすることで、
より深層部分のケアが可能となります。

深層部、骨の表面の骨膜(骨の骨膜という膜)と筋膜が
癒着してしまっている場合はその箇所に鍼を入れます。
この感覚というのは刺した人間しかわからないと思いますが、
粘りのある固いものに刺した感じです。

そこに刺すと滞っていた血液が流れ始めその刺激は
痛みというよりも気持ちの良い感じだと思います。

特に鍼治療はトリガーポイントにもピンポイントで
アプローチできますので
鍼灸と手技での治療が良いかなと思います。

廿日市の整骨・整体はいりえ鍼灸整骨院へ。慢性的な痛みの緩和だけでなく自律神経の調整も行っています。
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入江院長
「痛みや不調にお悩みの方、ぜひご相談ください」

 ●いりえ鍼灸整骨院・院長 入江 毅

《経歴》
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院

《資格》 ■鍼灸師 ■柔道整復師(国家資格)