こめかみが痛む頭痛、それって眼精疲労?

『こめかみが痛い。頭が痛い。吐き気がする。眠れない』などの症状で日常生活に支障をきたす。
これは眼精疲労の可能性があります。
パソコンやスマホの普及に伴い、目の不調だけでなく、頭痛や不眠などの不調を訴える方が増えてきています。
当院では特に50代以上の方、女性に多い感じですね。

年齢を重ねると当然他の臓器と同じく
目の機能も衰えてきます。

もちろん、全てが眼精疲労というわけではありません。
一時的な痛みを伴う場合は
日常生活の中での過労やストレス、睡眠不足などによって引き起こされている場合が多いからです。
また、カフェインの摂取量、アルコールの過剰摂取、また天候の変化、ホルモンバランスの変動にも影響を受けることがあります。

これらの場合は短期間で解消されやすく、生活習慣・ストレス管理で症状が軽減されることがよくあります。

ですが、痛みが頻繁に発生したり、他の症状があるのなら深刻です。

眼精疲労を起因とする頭痛の場合、ほかの症状も現れます。
例えば、目がかすむ・充血する・乾燥する・肩こりやめまい、あとは倦怠感などです。
こうした症状はいくら休息とっても治ることがなく慢性化しているケースが多いです。

目を酷使し、目の疲れを感じる「疲れ目」とは一線を画します。
しかも、眼精疲労は白内障や緑内障、ドライアイなどの病気を原因として発症する場合があるので
一度、眼科で診療を受けた方が良いでしょう。

眼精疲労の原因として一番はパソコンやスマートフォン等のデジタルデバイスの使いすぎです。
デジタルデバイスは眼の疲れ・痛み、肩こりや頭痛、こころなど全身に及ぶ不調を引き起こすとされています。
これをVDT（ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル）症候群といいます。

VDT症候群の予防には、1時間作業したら10〜15分程度の休憩をとること、眼とディスプレイの間の距離を40cm以上とる、などの対策が有効であるといわれています。

あと、眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っていないということが眼精疲労の原因になることがあります。
明るすぎる・暗すぎる環境での習慣的な作業、姿勢の悪さが要因として挙げられ、
さらに白内障、緑内障、ドライアイ、近視・乱視・老眼、斜視、眼瞼下垂などの病気を原因として発症する場合もあります。
あとは肉体的・精神的なストレスによる自律神経の乱れも原因とされます。

環境や生活環境を改善する、ストレスをうまく解消するといったことで原因となっている因子を除去することが第一
に挙げられます。
また、近視・乱視・老眼などの屈折異常が原因になっている場合には、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要です。

近い距離を20分も見ていると、毛様体筋（ピントを合わせる筋肉）は疲れ始めますので
少し疲れた時点で休憩をとれば、回復も早くなります。
デスクワークをしているときなど、意外と目を酷使しています。

20分につき20秒休めば、それも遠くを見るなどの簡単にできる休憩で、毛様体筋の疲労が回復すると言われています。
さらにブルーライトカットの眼鏡をかけたり、エアコンの風が直接当たらないようにするなどにも配慮したいところ。

食事も目の疲れを予防する効果が期待できるビタミンＡ、ビタミンＢ群、ビタミンC、ルテイン、DHA、アントシアニン、タウリン、亜鉛などを取り入れましょう。

血行の改善、筋肉の弛緩によって、疲労の蓄積を防ぐことができるので電子レンジでホットタオルを用意し、使ってみるのもよいでしょう。

目の周りには、たくさんのツボがあります。
指で押すとやや痛みを感じるのがツボですので、指のはらで力の入れすぎに注意して優しく5～10秒間押して見ましょう。
その後5秒間緩めるを3回ほど行ってみましょう。

次に挙げるのが効果的なツボです。

◆晴明(せいめい)：目頭の内側と鼻の付け根の間にあるくぼみ。目を閉じて両手の人差し指で左右から挟むようにして内側に押します。

◆さん竹：眉頭の内側で目の上の骨べりのくぼみ。目を閉じて両手の親指で左右眉下から上に押しあげます。

◆太陽：こめかみの下の少しくぼんだ部分。人差し指、または中指で気持ち良いと感じる程度の強さでくるくると指を回しながらほぐします。

また、鍼灸治療もおすすめです。
「後頭下筋群(こうとうかきんぐん）」は、目の動きに連動します。
この後頭下筋群と鍼灸治療は相性が良いです。

後頭下筋群が硬くなってしまうと、血管や神経を圧迫してしまい、
眼精疲労に留まらず頭痛や首の痛みにもつながります。
この後頭下筋群は細かい筋肉の集まりなので、指圧やマッサージでほぐすことが困難な筋肉です。

なので鍼灸治療が効果的なんです。

また、目と首は相関関係が強く、首の治療は目に効果的です。
つまり、眼精疲労をケアすることは同様に首こりの解消にも繋がります。

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