鍼灸は不妊症の治療というよりは
妊娠しやすい体へ体質を改善する、と考えましょう。
なので年齢や生活習慣など、その患者さん一人一人の性質にあった処置が必要です。
治療期間は様々で、当然個人差があります。
卵子の質を例に挙げると、その質が変化するのに8ヶ月はかかるとされています。
なので、忍耐がかなり要求されます。
僕の感覚だと、
高齢だったり月経周期が乱れている、
生活習慣、特に夜更かしや冷え、食事、運動などを見直す必要がある方、
ストレス過多の方はなかなか妊娠まで時間がかかります。
逆に生活習慣を改め、まじめに鍼灸治療を受ける方は比較的早く妊娠しているように思います。
それから、特に鍼灸治療をした方が良いのは
排卵日、着床日です。
鍼灸治療が不妊症に対してどのような効果があるかという様々な論文が発表されています。
・ホルモンバランスを正常に機能させることで妊娠率が上がる
・骨盤内に血液が流れるようになることで子宮内膜が良好になり、妊娠率の向上につながる
・卵巣への血流が改善され、卵、胚の質が向上
・人工受精、体外受精を受けている時、妊娠率が上がる
など。
生理不順の女性に鍼灸を施すことで排卵促進率が54パーセントも上がったとされる研究発表もあるそうです。
女性の場合、子宮の筋肉をほぐすツボに鍼灸治療を行います。さらに、ホルモンや自律神経を調整することで
子宮に着床しやすくなります。
不妊の原因は主に冷えであると思います。
まず、最低限しておかないといけない治療は
「冷えとり」です。
血流を良くし、子宮や卵巣の働きを良くすることが
不妊克服の第一歩。
不妊症に鍼灸が効くかどうかについては、
まだはっきりとしたエビデンスが確立されていないのが現状です。
ですが、様々な研究もされてきていて、
妊娠率が上がったという報告がされているのも事実です。
特にリラックスしてストレスを軽減できるところが
鍼灸治療の良い点だと思います。
不妊治療ははっきり言って身体的にも、精神的にも負担を強いられます。
治療自体がストレスを生み、さらに妊娠しにくくなっていく、という悪循環は避けたいものです。
西洋医学による不妊治療の中で
東洋医学だからこそ可能なアプローチ法があります。
西洋医学を主とした治療を東洋医学である鍼灸がうまくサポートすることで
さらに良い結果が出れば、辛い思いを抱えている患者さんの助けにつながるのでは、と思います。
さて、次回は鍼灸における不妊治療について、さらに詳しくお伝えします。
女性不妊、そして男性不妊についても語る予定です。
では、また。