次に男性が原因となっている場合についてお話しします。
男性側の原因としては、精子の数が少ない・運動率が低い「造精機能障害」、射精ができない・勃起障害(ED)による「性機能障害」、精索静脈瘤、クラインフェルター症候群などの病気による場合などが考えられます。
鍼灸治療が男性不妊にどのようにアプローチするのか、というと
鍼灸により
精子濃度・運動率・正常形態が良くなるとされています。
つまり乏精子症(精子の数が少ない状態)、精子無力症(精子の動きが悪い状態)が改善されるということです。
精液が良くなれば、体外受精ではなく自然妊娠の可能性が出てくる、ということです。
また、精子自体の質の改善も期待できます。
これは、流産率の低下とともに人工受精や体外受精、顕微受精を視野に入れている方の場合、
妊娠率があがることを意味します。
精子は1日にどのくらいの量を生産されているかお分りですか?
1千万〜1億以上と言われています。
すごく大量です。
言い換えれば
そのくらい作られて、ようやく妊娠できるんです。
精巣には無数の血管が張り巡らされ、常に栄養を補給される仕組みになっています。
特に重要な血管は
精巣動脈、精管動脈、外精動脈の3つ。
それぞれが分岐できる臓器が異なるため、何か1つ詰まっても
他が補填できるようになっています。
それくらい血液を必要とする臓器なんですね。
ここでも血流が大事なんですね。
また、男性も女性と同じくホルモン分泌の調整が必要とされます。
男性もFSH、LHなどのホルモンを分泌しています。
ただ、脳が興奮状態を続けるとこれらのホルモンの分泌異常となり
精子の形成異常や勃起障害、射精障害などの原因となります。
分泌ホルモンの異常が精巣の精子を作る上で障害となっているケースを精巣前性無精子症といいます。
この場合は鍼灸治療の対象となります。
鍼灸でホルモン分泌の正常化をはかるんです。
次に勃起不全である場合も
鍼灸でアプローチできます。
心因性と器質性と分かれますが、混合型の場合がけっこうあります。
この場合心と体の両面から自律神経を調整します。
また、射精不全の場合も心因性の原因による場合は
鍼灸による自律神経の調整を行うことで改善へと促していきます。