連日の忘年会で悲鳴を上げる胃腸へ。なぜ「鍼治療」が内臓疲労の回復を劇的に早めるのか?

飲み会
こんにちは、いりえです。
一気に寒さが増してきましたね。それもそのはず
年末です。今年も当院に来院される患者様から、
「連日の飲み会で身体が重い」
「胃薬が手放せない」
「背中がパンパンに張っている」と
いったお悩みを伺う季節が到来しました。

楽しいお酒の席は心のリフレッシュになりますが、
身体、特に「胃腸」や「肝臓」にとっては過酷な耐久レースのようなものですから。

もしあなたが、 「一晩寝ても疲れが抜けない」 
「食欲がわかない、または食べても美味しく感じない」 
「顔色がくすみ、朝起きると浮腫(むくみ)がひどい」

このような症状を感じているなら、それは単なる「食べ過ぎ・飲みすぎ」の範疇を超え、
内臓機能の低下による自律神経の乱れが生じている可能性が高いです。

本日は、国家資格を持つ鍼灸師の視点から、
アルコールや暴飲暴食が身体に及ぼす生理学的な影響と、
なぜ鍼治療が弱った内臓機能の回復に有効なのか、
その医学的メカニズム(体性-内臓反射)について詳しく解説します。

アルコールと暴飲暴食で体内に起きていること

「飲み過ぎた」と感じている時、体内では単に胃の中に食べ物が
溜まっているだけではありません。
解剖生理学的には、以下のような負荷が同時にかかっています。

1. 胃粘膜の炎症と消化酵素の枯渇

アルコールは胃粘膜を直接刺激し、充血やびらん(ただれ)を引き起こしやすくします。
さらに、脂っこい食事の連続は消化酵素の分泌を過剰に要求し、
膵臓や胆嚢といった消化器系臓器全体を疲弊させます。

2. 「肝臓」のオーバーワークと活性酸素

肝臓はアルコールの分解(解毒)を最優先で行うため、糖や脂質の代謝、
タンパク質の合成といった本来の機能が後回しになります。
この解毒プロセスで大量の「活性酸素」が発生し、
これが全身の倦怠感や細胞の老化(肌荒れなど)の原因となります。

3. 交感神経の過緊張(これが最も厄介です)

本来、内臓が消化吸収活動を行う時は、リラックスの神経である
「副交感神経」が優位でなければなりません。
しかし、連日の深酒や睡眠不足は、身体を興奮状態にする「交感神経」を優位にさせます。
「内臓は働きたいのに、神経がブレーキをかけている」という矛盾した状態が続くことで、
胃腸の蠕動(ぜんどう)運動が機能不全に陥るのです。

なぜ、鍼治療が「内臓」に効くのか?(体性-内臓反射の応用)

「背中や手足に鍼(はり)を打って、なぜ胃の調子が良くなるの?」 
これは患者様からよく頂く質問です。
これには「体性-内臓反射(たいせい-ないぞうはんしゃ)」という明確な生理学的メカニズムが存在します。

体性-内臓反射とは、皮膚や筋肉への物理的な刺激(鍼やお灸)が、
感覚神経を通って脊髄や脳へ伝わり、そこから自律神経を介して
内臓の働きを調整する反応のことです。

当院の内臓調整治療では、この反射を利用して以下の効果を狙います。

胃腸の血流改善: 背中や足にある特定のツボを刺激することで、
胃や腸を支配している神経に働きかけ、内臓壁の血流量を増加させます。
血流が増えれば、傷ついた粘膜の修復が早まります。

蠕動(ぜんどう)運動の正常化:
過緊張で動きが止まっている胃には
「動け」という指令を、逆に下痢などで動きすぎている腸には「落ち着け」という指令を、
自律神経のバランスを整えることで送ります。

背中の筋緊張(関連痛)の緩和: 内臓の不調は、反射的に背中の筋肉
(特に肩甲骨の間や腰の上部)を硬くします(内臓-体性反射)。
この「内臓疲れによるコリ」はマッサージだけではほぐれにくいですが、
鍼で直接アプローチすることで、内臓への負担も軽減させることができます。

プロが教える!飲み会シーズンを乗り切る「特効ツボ」

ご自宅や、飲み会の最中でもこっそり使えるツボをご紹介します。
痛気持ちいい強さで刺激してみてください。

① 中脘(ちゅうかん)

場所: おへそと、みぞおちの先端を結んだ線のちょうど真ん中。

効果: 胃の中央に位置し、消化能力を高め、胃もたれや膨満感を解消する特効穴です。
お灸をするのも非常に効果的です。

② 内関(ないかん)

場所: 手首の内側のシワから、指3本分肘側へ下がったところ。2本の腱の間。

効果: 二日酔いの吐き気や、胸のむかつきに即効性があります。
飲み会の前に刺激しておくと、悪酔い防止にもなります。

③ 足三里(あしさんり)

場所: 膝のお皿の外側下のくぼみから、指4本分下がったところ。すねの筋肉の上。

効果: 「胃の気」を下げる効果があり、消化不良や胃痛、全身の倦怠感に万能なツボです。
俳人・松尾芭蕉も旅の疲れを癒やすためにここにお灸をしていました。

年末年始を元気に過ごすために

「胃腸の疲れ」を軽視してはいけません。 胃腸はエネルギー(気)を生み出す源です。
ここが弱ると、免疫力が低下し、風邪を引きやすくなったり、
ギックリ腰などの筋骨格系のトラブルも引き起こしやすくなります。

「薬を飲んでごまかしている」 
「背中の張りがどうしても取れない」

そんな方は、ぜひ一度当院の鍼灸治療をお試しください。 
マッサージだけでは届かない身体の奥深く、自律神経や内臓機能へ直接アプローチし、
本来の元気な身体を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

年内の不調は年内のうちにリセットし、スッキリとした体調で新年を迎えましょう。 
ご予約・ご相談をお待ちしております。

廿日市の整骨・整体はいりえ鍼灸整骨院へ。慢性的な痛みの緩和だけでなく自律神経の調整も行っています。
肩こり腰痛、自律神経の調整から交通事故の治療まで 廿日市市地御前 いりえ鍼灸整骨院におまかせ



入江院長
「痛みや不調にお悩みの方、ぜひご相談ください」

 ●いりえ鍼灸整骨院・院長 入江 毅

《経歴》
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院

《資格》 ■鍼灸師 ■柔道整復師(国家資格)