こんにちは、いりえです。
今日はちょっと趣向を変えて鍼灸の雑学を
こぼれ話と銘打ってお伝えします。
鍼灸治療には、長い歴史の中で生まれた様々なこぼれ話や興味深い
エピソードがあります。いくつかご紹介しましょう!
意外な話?鍼灸こぼれ話

原始の「鍼」は石だった?(砭石 - へんせき)
現代の鍼は金属製ですが、鍼の起源は石器時代にまで遡ると言われています。
古代の人々は、尖らせた石(砭石と呼ばれる)を使って、体の膿を出したり、
痛む部分を刺激したりしていました。これが鍼の原型とされています。
その後、動物の骨、竹、陶器など様々な素材が試され、現在の金属製の鍼へと進化しました。
古代の人々は、尖らせた石(砭石と呼ばれる)を使って、体の膿を出したり、
痛む部分を刺激したりしていました。これが鍼の原型とされています。
その後、動物の骨、竹、陶器など様々な素材が試され、現在の金属製の鍼へと進化しました。
「灸」の起源は偶然の発見から?
灸の起源も、同様に偶然の発見から生まれたという説があります。
例えば、体が冷えて痛む時に、たまたま火のついた木の枝などが
体に触れて温められたら痛みが和らいだ、といった経験がもとになっていると考えられています。
そして、ヨモギの葉の裏にある綿毛(もぐさの原料)が、穏やかに燃えて
じんわりと温めるのに最適であるという発見に至りました。
例えば、体が冷えて痛む時に、たまたま火のついた木の枝などが
体に触れて温められたら痛みが和らいだ、といった経験がもとになっていると考えられています。
そして、ヨモギの葉の裏にある綿毛(もぐさの原料)が、穏やかに燃えて
じんわりと温めるのに最適であるという発見に至りました。
ツボ(経穴)の起源も「痛み」から?
先ほども触れましたが、ツボの概念も、偶然の経験から生まれたという説が有力です。
「頭痛がひどい人が、たまたま足を怪我したら頭痛が治った」というような、
特定の部位への刺激が離れた場所の症状に影響を与えるという経験が積み重なり、
効果的な刺激点(ツボ)が見出されていったと言われています。
「頭痛がひどい人が、たまたま足を怪我したら頭痛が治った」というような、
特定の部位への刺激が離れた場所の症状に影響を与えるという経験が積み重なり、
効果的な刺激点(ツボ)が見出されていったと言われています。
日本における鍼灸の伝来と隆盛
鍼灸は、中国から遣隋使や遣唐使によって日本に伝わったとされています(6世紀頃〜8世紀頃)。
驚くべきことに、日本で最初の律令制度である大宝律令(701年)には、既に医博士、医師などとともに、
「鍼博士」や「鍼生」といった鍼灸に関する役職が設けられていました。
これは、当時から鍼灸が非常に重要な医療として位置づけられていたことを示しています。
驚くべきことに、日本で最初の律令制度である大宝律令(701年)には、既に医博士、医師などとともに、
「鍼博士」や「鍼生」といった鍼灸に関する役職が設けられていました。
これは、当時から鍼灸が非常に重要な医療として位置づけられていたことを示しています。
杉山和一と管鍼法(かんしんほう)の誕生
江戸時代に活躍した盲目の鍼灸師、杉山和一(すぎやま わいち)は、現代の鍼灸治療で
広く使われている管鍼法(かんしんほう)を考案したことで知られています。
伝えられるところによると、彼は修行中に何度も挫折し、故郷に帰る途中で江ノ島に
立ち寄りました。そこで、石につまずいて転んだ際に、竹筒に入った松葉が痛みもなく
足に刺さったことからヒントを得て、管を使って鍼を体に挿入する方法を編み出したとされています。
この方法により、鍼を刺す際の痛みが軽減され、鍼灸治療の普及に大きく貢献しました。
徳川綱吉の難病を鍼で治したとも言われており、綱吉は杉山和一の願いを叶えるために土地を与え、
現在の東京都墨田区にある江島杉山神社に祀られています。
広く使われている管鍼法(かんしんほう)を考案したことで知られています。
伝えられるところによると、彼は修行中に何度も挫折し、故郷に帰る途中で江ノ島に
立ち寄りました。そこで、石につまずいて転んだ際に、竹筒に入った松葉が痛みもなく
足に刺さったことからヒントを得て、管を使って鍼を体に挿入する方法を編み出したとされています。
この方法により、鍼を刺す際の痛みが軽減され、鍼灸治療の普及に大きく貢献しました。
徳川綱吉の難病を鍼で治したとも言われており、綱吉は杉山和一の願いを叶えるために土地を与え、
現在の東京都墨田区にある江島杉山神社に祀られています。
名医・華佗(かだ)の逸話
『三国志』にも登場する中国の伝説的な名医・華佗(かだ)は、鍼灸の名手としても知られています。
ある時、彼は患者に鍼を施し、鍼を刺してしばらくしてから患者に
「もし気分が良くなったら、鍼を抜いてください」と言い残し、去って行ったという話があります。
これは、患者自身の体の感覚を重視し、過剰な治療を避けるという、
現代にも通じる鍼灸の考え方を示していると言えるでしょう。
また、彼の診断の正確さを示すエピソードとして、李通の妻の診断があります。
李通は妻が胎児を産んだと思い込んでいましたが、
華佗はもう一人双子が残っていることを見抜き、
治療によって無事に二人目の胎児も生まれたと伝えられています。
ある時、彼は患者に鍼を施し、鍼を刺してしばらくしてから患者に
「もし気分が良くなったら、鍼を抜いてください」と言い残し、去って行ったという話があります。
これは、患者自身の体の感覚を重視し、過剰な治療を避けるという、
現代にも通じる鍼灸の考え方を示していると言えるでしょう。
また、彼の診断の正確さを示すエピソードとして、李通の妻の診断があります。
李通は妻が胎児を産んだと思い込んでいましたが、
華佗はもう一人双子が残っていることを見抜き、
治療によって無事に二人目の胎児も生まれたと伝えられています。
鍼灸の漢字の由来
「鍼」の字は、元々は「針」と同じ意味で使われていましたが、医療用の特別な針であることを示すために
「金」偏がついて「鍼」と書かれるようになったと言われています。
また、「灸」の字は、もぐさを燃やす様子を表す「火」と、
人の体が病気から「久」しく治ることを願う意味が込められているという説もあります。
「金」偏がついて「鍼」と書かれるようになったと言われています。
また、「灸」の字は、もぐさを燃やす様子を表す「火」と、
人の体が病気から「久」しく治ることを願う意味が込められているという説もあります。
盲人と鍼灸
日本の鍼灸の歴史において、盲人の鍼灸師は重要な役割を担ってきました。
杉山和一の例もそうですが、視覚に頼らず、手の感覚でツボを見つけ、
鍼を操る技術は、彼らにとって自立の手段であり、非常に尊重されていました。
触覚が鋭敏であるため、健常の鍼灸師には感じ取れない微細な体の変化を
捉えることができると言われています。
杉山和一の例もそうですが、視覚に頼らず、手の感覚でツボを見つけ、
鍼を操る技術は、彼らにとって自立の手段であり、非常に尊重されていました。
触覚が鋭敏であるため、健常の鍼灸師には感じ取れない微細な体の変化を
捉えることができると言われています。
スポーツ選手と鍼灸
近年、多くのプロスポーツ選手が鍼灸治療を取り入れています。
彼らの体は一般の人よりも遥かに酷使されており、最高のパフォーマンスを発揮するためには、
筋肉の柔軟性維持、疲労回復、怪我の予防と回復が不可欠です。
ある野球選手は、試合前や連戦の疲労回復のために鍼灸を欠かさないと語っています。
また、陸上選手が慢性的な足の痛みに悩まされていたが、
鍼治療によって痛みが劇的に軽減され、記録更新に繋がったという話も聞かれます。
筋肉の深部にまでアプローチできる鍼の特性が、アスリートのケアに役立っている一例です。
彼らの体は一般の人よりも遥かに酷使されており、最高のパフォーマンスを発揮するためには、
筋肉の柔軟性維持、疲労回復、怪我の予防と回復が不可欠です。
ある野球選手は、試合前や連戦の疲労回復のために鍼灸を欠かさないと語っています。
また、陸上選手が慢性的な足の痛みに悩まされていたが、
鍼治療によって痛みが劇的に軽減され、記録更新に繋がったという話も聞かれます。
筋肉の深部にまでアプローチできる鍼の特性が、アスリートのケアに役立っている一例です。
逆子の鍼灸治療
出産を控えた妊婦さんの中には、赤ちゃんが逆子(骨盤位)になってしまい、
帝王切開になる可能性を心配する方も少なくありません。
そのような場合、特定のツボ(特に足の小指にある「至陰(しいん)」というツボ)に
お灸をすることで、逆子が治る可能性があると言われています。
これは、お灸の温熱刺激が子宮の血行を改善し、赤ちゃんが動きやすい環境を作ることで、
自然に頭位に戻るのを促すと考えられています。実際にこれで逆子が戻ったという報告も多く、
産婦人科医も鍼灸治療を勧めるケースが増えています。ただし、必ず効果があるわけではなく、
鍼灸師の指導のもと慎重に行う必要があります。
帝王切開になる可能性を心配する方も少なくありません。
そのような場合、特定のツボ(特に足の小指にある「至陰(しいん)」というツボ)に
お灸をすることで、逆子が治る可能性があると言われています。
これは、お灸の温熱刺激が子宮の血行を改善し、赤ちゃんが動きやすい環境を作ることで、
自然に頭位に戻るのを促すと考えられています。実際にこれで逆子が戻ったという報告も多く、
産婦人科医も鍼灸治療を勧めるケースが増えています。ただし、必ず効果があるわけではなく、
鍼灸師の指導のもと慎重に行う必要があります。
美容鍼の意外な効果
近年注目されている美容鍼ですが、顔のたるみやしわの改善だけでなく、
意外な効果を実感する人もいます。
ある人は、美容鍼を受け始めてから顔の血色が良くなっただけでなく、
長年悩んでいた肩こりや眼精疲労も改善したと語っています。
これは、顔に鍼をすることで顔全体の血行が促進され、
それが全身の巡りにも良い影響を与えた結果だと考えられます。
美容目的で始めたのに、体全体の不調も改善されるという、
鍼灸ならではの面白い波及効果と言えるでしょう。
意外な効果を実感する人もいます。
ある人は、美容鍼を受け始めてから顔の血色が良くなっただけでなく、
長年悩んでいた肩こりや眼精疲労も改善したと語っています。
これは、顔に鍼をすることで顔全体の血行が促進され、
それが全身の巡りにも良い影響を与えた結果だと考えられます。
美容目的で始めたのに、体全体の不調も改善されるという、
鍼灸ならではの面白い波及効果と言えるでしょう。
「鍼は痛い」の誤解
「鍼は痛い」というイメージを持っている人は少なくありませんが、これは多くの場合誤解です。
現代の鍼は非常に細く(髪の毛ほどの細さ)、熟練した鍼灸師が施術すれば、
ほとんど痛みを感じないか、チクっとする程度の感覚です。初めて鍼を受ける人が、
この痛みの少なさに驚くことは「あるある」です。
昔の太い鍼のイメージや、注射針のイメージが先行しているのかもしれませんね。
現代の鍼は非常に細く(髪の毛ほどの細さ)、熟練した鍼灸師が施術すれば、
ほとんど痛みを感じないか、チクっとする程度の感覚です。初めて鍼を受ける人が、
この痛みの少なさに驚くことは「あるある」です。
昔の太い鍼のイメージや、注射針のイメージが先行しているのかもしれませんね。
「妊婦に鍼をすると流産する」という都市伝説
これもよく耳にする誤解の一つです。特定のツボ(例えば三陰交など)を
刺激すると流産する可能性があるという話が広まっていますが、科学的な根拠はほとんどありません。
実際には、妊娠中の不調(つわり、腰痛、むくみなど)に対して、鍼灸治療は安全かつ有効な場合があります。
もちろん、鍼灸師は妊婦さんへの施術に細心の注意を払い、禁忌とされるツボや刺激方法は避けます。
刺激すると流産する可能性があるという話が広まっていますが、科学的な根拠はほとんどありません。
実際には、妊娠中の不調(つわり、腰痛、むくみなど)に対して、鍼灸治療は安全かつ有効な場合があります。
もちろん、鍼灸師は妊婦さんへの施術に細心の注意を払い、禁忌とされるツボや刺激方法は避けます。
「鍼灸はオカルト的で効果がない」という見方
以前は「鍼灸は科学的ではない」「気休めだ」といった見方も一部にありましたが、
近年ではその効果が科学的に検証され、エビデンス(科学的根拠)も蓄積されつつあります。
神経系、免疫系、内分泌系への作用など、現代医学的な観点からもそのメカニズムが解明され始めています。
WHO(世界保健機関)も鍼灸の有効性を認める疾患をリストアップしており、
世界中でその治療法が受け入れられ始めています。
近年ではその効果が科学的に検証され、エビデンス(科学的根拠)も蓄積されつつあります。
神経系、免疫系、内分泌系への作用など、現代医学的な観点からもそのメカニズムが解明され始めています。
WHO(世界保健機関)も鍼灸の有効性を認める疾患をリストアップしており、
世界中でその治療法が受け入れられ始めています。
国際的な鍼灸の注目
1971年にアメリカのニクソン大統領が中国を訪問した際、中国の鍼麻酔手術が世界的に報道され、
鍼灸への注目が高まりました。
これをきっかけに日本でも鍼灸ブームが起こり、多くの視察団が中国を訪れました。
鍼灸への注目が高まりました。
これをきっかけに日本でも鍼灸ブームが起こり、多くの視察団が中国を訪れました。
動物への鍼灸治療(獣医鍼灸)
人間だけでなく、ペット(犬や猫など)や競走馬といった動物にも鍼灸治療が行われています。
特に、高齢のペットの関節炎や麻痺、あるいは競走馬のパフォーマンス向上や怪我の回復などに用いられ、
実際に効果を上げているケースが多く報告されています。
人間と同様に、動物の体も経絡やツボの概念で捉え、全身のバランスを整えるという考え方です。
特に、高齢のペットの関節炎や麻痺、あるいは競走馬のパフォーマンス向上や怪我の回復などに用いられ、
実際に効果を上げているケースが多く報告されています。
人間と同様に、動物の体も経絡やツボの概念で捉え、全身のバランスを整えるという考え方です。
「気の流れ」を可視化しようとする試み
東洋医学における「気」の概念は、西洋医学的には理解しにくい部分ですが、
近年、科学者たちは「気」の物理的実態を解明しようと様々な研究を行っています。
例えば、ツボや経絡のライン上は他の皮膚の部分と比べて電気抵抗が低い、温度が高いなど、
何らかの物理的な特性が見られることが報告されており、「気」が単なる精神的なものではなく、
近年、科学者たちは「気」の物理的実態を解明しようと様々な研究を行っています。
例えば、ツボや経絡のライン上は他の皮膚の部分と比べて電気抵抗が低い、温度が高いなど、
何らかの物理的な特性が見られることが報告されており、「気」が単なる精神的なものではなく、
何らかの生体エネルギーの流れである可能性を探る動きがあります。
これらのこぼれ話や雑学は、鍼灸が単なる治療法にとどまらず、
人々の生活や文化、そして身体の神秘と深く結びついていることを改めて感じさせてくれますね。
人々の生活や文化、そして身体の神秘と深く結びついていることを改めて感じさせてくれますね。
廿日市の整骨・整体はいりえ鍼灸整骨院へ。慢性的な痛みの緩和だけでなく自律神経の調整も行っています。
肩こり腰痛、自律神経の調整から交通事故の治療まで 廿日市市地御前 いりえ鍼灸整骨院におまかせ
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「痛みや不調にお悩みの方、ぜひご相談ください」
●いりえ鍼灸整骨院・院長 入江 毅
《経歴》
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院
・関西鍼灸短期大学卒業 在学中に鍼師・灸師免許取得
・大阪にて鍼灸整骨院に勤務
・国際東洋医療学院柔道整復学科にて柔道整復師免許取得
・山口市の医療法人内鍼灸整骨院にて院長として約6年間勤務
・広島県内鍼灸整骨院にて4年間勤務
・業界17年の知識と経験をもとに廿日市市地御前に「いりえ鍼灸接骨院」を開院
《資格》 ■鍼灸師 ■柔道整復師(国家資格)